タイ北部における「子供の森」計画の中心となっている「オイスカ・ランプ—ン農林業研修センター」では、オイスカ四国研修センターのOBであるエークが、日本で学んだ養鶏を実践しています。ゲージ飼いではなく、平飼いという自然に近い飼育方法にこだわり、ストレスを溜めることなくのびのびと育てたニワトリの卵を毎朝新鮮な状態で採集します。
日本であれば買い手を見つけることは容易いかもしれませんが、タイではそう簡単にはいきません。田舎の方ではまだまだ食へのこだわりや安全性への関心が低いのです。エークは「タイの市場の卵は、日本と違い日付が記載されておらず、古い卵も混ざっていて、生で食べることができない。だから私は日付をちゃんと付けて、新鮮で、安全な卵をタイの人にも食べてもらいたい」と考えています。
日本で3年にわたる研修を受けたエークは、その成果をしっかり自分の母国で発揮しています。「もうけ重視ではなく、子どもたちには安全な食を」という気持ちは、日本で学んだオイスカスピリッツから来ています。
自然への感謝、思いやり、忍耐、継続、信頼。日本で学んだのは決して農業技術だけではありません。