2021年台風18号被害支援活動

 2021年10月10日から11日にかけて、大型台風18号がフィリピン・ルソン島を直撃しました。各地で大雨による土砂災害、また広い範囲で洪水が発生し、40名を超える尊い命が奪われたほか、多くの家屋が倒壊・浸水被害を受けるなど甚大な被害をもたらしました。また、政府の報告によると、6万人以上の農家が被害を受けたとされています。

 当時の状況について話を伺うと、切迫した現地の様子が伝わってきます。「自分たちの安全を守る事しかできず、食べものや家庭用品が流されていくのをただ見ているだけでした。」「お母さんに起こされたとき、すでに床には汚れた水が流れ込んできていました。怖くてびっくりして、必死で高い木まで泳ぎました。」

 オイスカ・アブラ農林業研修センター(以下、センター)が位置するアブラ州ドローレス町においても、ムディイト村とダルナタン村で洪水被害が発生しました。センターでは、洪水の翌日より炊き出しや物資支援など、150戸を対象に救援活動に取り組んできました。物資支援では、お米や麺、缶詰、塩、手洗い石鹸など、優先度の高い必需品を援助しました。

 「子供の森」計画参加校の子どもたちも多く被災する中、家や家財を流された子どもたちの支えとなるよう、12月25日、80名の子どもたちに衣服や靴の支援を実施しました。子どもたちからは、「当時は逃げることが最優先で、学校の課題や本が入ったバッグを取りに行きたかったけれど、父親に止められました。自分自身はより高さのある近所の家へ泳ぐことができましたが、バックも服もスリッパも流れてしまって、怖くてさみしかったです。食べものや服、スリッパをありがとうございます。」といった感謝の声が届きました。