日本でも連日報道されている通り、スリランカでは独立以来、最悪と言われる経済危機に直面しています。インフラ開発などにより、多額の対外債務を抱えていたところ、2020年から続くコロナ禍で外貨獲得の柱だった観光業が大きく低迷。外貨不足や、さらには2022年からのウクライナ危機の影響も受け、燃料や食料品、医薬品などの輸入も滞った結果、物価が高騰。最大都市・コロンボでは50%以上のインフレ率に見舞われています。7月5日には、首相が国の「破産」を宣言する事態となりました。
生活に不可欠な燃料や食料などが数か月にわたり深刻な不足に陥っており、さらには長時間の停電が頻発するなど国民の生活を直撃。政権への抗議活動が激化し、大統領や首相も辞任に追いこまれました。7月21日には、新たに大統領や首相が選出されましたが、問題は根深く、混乱は今後も続くことが予想されます。
オイスカでは、スリランカにおいて「子供の森」計画を柱に活動を続けてきましたが、その活動の場である学校も、スクールバスの運行や教員の通勤が困難になり、全国的に休校措置が続いています。「子供の森」計画コーディネーターなど関係者の無事は確認できていますが、身動きがとれないため、現在は連絡を取り合いながら、状況を注視しているところです。
本業を別に抱えた訪日研修生OBOGが中心となって活動を展開しているスリランカでは、人的リソースも限られており、関係者自身の生活も混乱・困窮する中で、新たに緊急支援を立ち上げることは難しいのが現状です。ただ、近年注力してきた家庭での野菜づくりを支援する「ホームガーデニングプログラム」など、現状に即した活動に対するニーズも存在しています。情報収集や現地との連携を密に継続しながら、オイスカとして何ができるのか、模索していきたいと考えています。